ハイブリッドワークフォース
チームはあらゆる環境で優れたパフォーマンスを発揮できます。
プラットフォーム(PLATFORM)
アクセス製品
セキュリティとIoT製品
ベスト プラクティスを学び、革新的なソリューションを調べ、Meraki コミュニティでいろいろな人と知り合いましょう。
つながる
ゲーム、エンタテインメント分野で数々の革新的なコンテンツを創出し続ける株式会社スクウェア・エニックス。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大を機に、在宅勤務中心の勤務形態に本格移行した同社は、開発中ゲームタイトルのデバッグ作業を行うQAテスター業務に Cisco Merakiシリーズを採用。テレワークでの安全、高速なVPN通信環境の整備およびクラウドによるリモート設定と管理により、ゲーム開発事業継続の取り組みを実施しました。
「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する。」を企業理念に掲げる株式会社スクウェア・エニックス。ゲーム、エンタテインメント分野において革新、創造的なコンテンツ、サービスを生み続けています。「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「トゥームレイダー」シリーズなどの数々のゲームタイトルは、世界中のゲームファンから熱狂的な支持を集め続けています。ゲームはプランナー、デザイナー、エンジニアなど多くのクリエイターの手によって創られます。ゲームが仕様通りに動くかを検証してバグを発見、報告し、正しい挙動になるようバグを取り除き製品の品質を高めていくデバッグ作業は、QAテスターと呼ばれる品質管理部のスタッフが担当します。ビッグタイトルではその期間は数ヵ月から1年近くかかり、携わるスタッフも数十人に上ります。
情報システム部 シニア・マネージャーの森竜也氏は、QAテスタースタッフのテレワークにおける課題を、次のように語ります。「どのようにしてゲーム機の安全かつ高速なVPN通信環境を実現するかが、テレワークにおいての課題でした。デバッグ作業には数十GBにもなる開発中のゲームプログラムを都度ダウンロードし、コンシューマソフトであれば実際の家庭用ゲーム機でプレイすることが求められます。
その際、機密保持の観点からゲームサーバとゲーム機間の接続にはIPアドレスを固定化、特定した上で、VPNによる通信が必須です。当初はプロバイダの固定IPが利用できるモバイル ルータや、マネージドVPNサービスの利用を検討しましたが、スタッフごとにIPアドレスの申請書提出が必要など、開通までの手続きがあまりに煩雑でした。また、PCでテザリングしての接続では、スタッフのPC設定変更が非常に面倒で、通信パフォーマンスの不足も予期され、いずれも現実的ではありませんでした。」
こうした課題を解消すべく同社が目を付けたのが、Cisco Merakiセキュリティ & SD-WAN ルータ MX シリーズでした。Cisco Meraki MXシリーズは、Auto VPN、ファイアウォール、IPS、マルウェア対策、コンテンツフィルタリング、アプリケーション可視化などのセキュリティ機能を網羅した、クラウド管理型統合セキュリティアプライアンスです。設定や管理の簡素化、自動化が特長で、複雑なサイト間VPN の構築もわずか数クリックで完了。また、設定などの運用管理はクラウド上のダッシュボードで行うため、「ゼロタッチ クラウドプロビジョニング」という自己プロビジョニング機能も実現させています。自宅からの設置時にもネットワークに接続するだけで、クラウドからポリシーと設定を自動的に取得するため、設定の手間が省けます。「Cisco Merakiであればテレワーカーにハードウェア1台を配布するだけで、スタッフ側の面倒な設定作業の必要もなく、管理側もクラウド上のダッシュボードで一元的に設定と管理ができ、通信の状態も可視化できます。まさにわれわれが求めているソリューションだと感じ、確保に向けてシスコ側との協議に入りました。」(森氏)
テレワークでの シンプル、セキュアかつ ハイパフォーマンス VPN 通信の実現には Cisco Meraki が最適でした。
株式会社スクウェア・エニックス
情報システム部 シニア・マネージャー
同社からの相談を受けたシスコでは、各メーカーの在庫がテレワーク需要の急増で不足する中、必要とされる台数を確保。約1週間の事前検証を経て設定のめどが立ったことから、2020年4月末にはテレワークのQAスタッフ約20名を対象として、Cisco Meraki MX64W が配布されました。
ユーザ側は初期設定の手間もなく、オフィスと同様の環境でゲーム検証作業が可能に
QAテスター作業を担当する品質管理部 テクニカルQAエキスパート 通信品質試験担当の竹原豊和氏は、展開時の印象を次のように話します。「緊急でしたのでトライアルもなしに一斉に利用を開始したのですが、大きなトラブルもなく順調に展開できました。機器側にNAT(ネットワークアドレス変換)機能があることで、スタッフ側は複雑な設定も必要なくすぐにVPNに接続でき、無事に在宅での安全、高速な通信によるゲーム機での検証作業が行えるようになりました。初期に自宅のルータ設定が特殊なケースのみ2件ほど接続不具合が生じましたが、通常の設定に変更することでクリアできました。」
クラウドダッシュボードによる通信の可視化は、遠隔サポートおよび管理にも有効
森氏は、テレワークにおけるクラウド管理の有効性を次のように語る。「Cisco Meraki のクラウドダッシュボードは、現地にサポートに行けないテレワークでの活用でも非常に有効です。パケットキャプチャも可能で、通信不具合時のトラブルシュートも確実ですし、どのデバイスが接続されているかも可視化されるため、管理面でも安心です。また、端末配布後の遠隔からの設定変更も容易に行えます。」
短期間での初期設定、技術サポートも万全
情報システム部 ITインフラストラクチャー ネットワーク・グループ 汪洋氏は、設定時のサポートについて次のように話します。「社内のゲーミングサーバとのVPN接続については、検証と本番環境での DNSの切り替えなど、通常の用途では必要とされない細かなチューニングが必要でしたが、結果として必要な要件をすべて満たすことができました。準備期間が約1 週間と非常にタイトだったためCisco エンジニアと必要に応じてWeb ミーティングを開催して、技術的なサポートをしていただきました。」
Cisco Meraki MX シリーズの活用により、緊急事態宣言下のQAテスタースタッフのテレワークは問題なく実施され、ゲームタイトル開発事業は無事に継続されました。品質管理部 リード QA の安倍祥子氏は、「ゲームのデバック作業では少しでも通信に遅延があると致命的なのですが、Merakiの環境ではそういったことも起こらず、在宅でも会社にいるときと同じように業務が行えることが非常にありがたかったです。」と語ります。
竹原氏も「検証に関わるスタッフの体制、また就業場所がオフィス、在宅かも業務内容に応じて変動しますが、この仕組みであれば必要なスタッフと機器を紐づけして配布するだけですので、シンプルかつ柔軟に対応可能です。」と話します。
今回のプロジェクト以外にもインフラ側の整備など、さまざまな取り組みが行われた同社では 2020年12月1日より、今般の感染症対策のみにとどまらない恒久的な制度としてテレワークを制度化しました。森氏は今後の展開とシスコへの期待について、次のように結びました。「今回はキャパシティやセキュリティの要件もこれまでとまったく異なるチャレンジングな試みでしたが、無事に解決できました。まだ通信のスループットやキャパシティ的に、ゲーム開発のすべてがリモートで行える訳ではありません。会社の方針としては在宅勤務制度を継続することに決まりましたので、これからも5Gなど大容量通信の利用やセキュリティ面での検討を続けていきます。シスコ、ならびにメラキには新たな働き方のニーズに応えるソリューションの提供に期待しています。」
株式会社スクウェア・エニックスは、エンタテインメント分野において、創造的かつ革新的なコンテンツ/サービスのヒット作品を生み続けるリーディングカンパニーです。当社グループの自社IPの代表作には「ドラゴンクエスト」シリーズ(累計出荷・ダウンロード販売本数8,200万本以上)、「ファイナルファンタジー」シリーズ(同1億5,900万本以上)、「トゥームレイダー」シリーズ(同8,100万本以上)、「スペースインベーダー」シリーズなどがあります。
現在のサイトを離れて別の言語に移行しようとしています.