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社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(JMA)を中心とするJMAグループは、同グループに属する3法人の42施設をつなぐグループ全体のネットワークのCisco Meraki シリーズへの刷新を進めています。最大の目的は、ネットワーク構成や運用をシンプルにすること。クラウド管理により、その目的を達成しただけでなく、無線LANや監視カメラなどを駆使してストレスのない検診サービスを実現するなど、医療・介護サービスの価値向上にもつなげています。
切れ目のない保険・医療・介護サービスを提供するためには、各施設のネットワークがシームレスにつながり、シンプルな運用で安定性・信頼性を高めることが重要。Cisco Meraki シリーズを採用した最大の理由です。
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 経営企画本部
事業開発推進部 主任 情報システム企画担当 礒脇 裕市氏
同グループは3県において42の施設・事業所を運営しています。シームレスに情報をやりとりし、切れ目のないケアサービスを提供する上で、各施設・事業所をつなぐネットワークは重要な役割を担っています。
しかし、拠点数の増加や既存施設の増床などに伴い、ネットワークの課題が顕在化していました。
具体的には、各施設のLANは、各法人・各エリアで個別に調達を実施してきたため、複数ベンダーの機器が混在。各施設・事業所間をつなぐWANについても、拠点の規模や重要度に合わせて多様な回線や接続サービスを採用してきたためサービスが乱立し、いずれも管理が複雑化していたのです。
「複雑化したネットワークは、全体を把握するのも困難で管理工数が肥大化。運用サポートサービスなどの保守費用も高止まりしていました」とJMAでネットワークを含む情報システム企画を担当する礒脇 裕市氏は課題を述べます。
日々の運用管理だけでなく、トラブル発生時の対応も大きな負担となっていました。
「様々なベンダーの機器があると、それぞれ異なる操作やノウハウが必要になります。それらを網羅的に習得するのは非常に難しく、トラブルの際などには、どうしても対応の遅れにつながります。また、リモートから得られる情報が限定されていることから、トラブル調査のためには現地まで足を運ばなければならない状況でした」と礒脇氏は振り返ります。
これまで重大なトラブルは発生していませんが、医療を支えるネットワークの停止は絶対にあってはなりません。「今後も拠点数や接続デバイス数は増加することが予想されます。ネットワークの可用性を高めるためにも、ネットワーク構成および運用管理をシンプルにしたいと考えていました」と礒脇氏は続けます。
課題を解消するため同グループは、グループ全体のネットワークの見直しに着手。複数のソリューションを調査し、比較・検討した結果、シスコのクラウド管理ネットワークソリューションCisco Meraki シリーズによってWAN、LAN、そして無線LANまでを全面刷新することを決めました。
「スイッチ、アクセスポイント、セキュリティアプライアンス、監視カメラなど、幅広い製品ラインアップを持ち、クラウド上のダッシュボードを通じて、それら全ての機器を統合管理することが可能。ダッシュボード自体もシンプルで使いやすく、広範囲に複数拠点を展開する当グループのネットワーク運用を効率化する上で最適なソリューションだと感じました」と礒脇氏は評価します。
例えば、Cisco Meraki シリーズなら、クラウドを通じてネットワーク設定を複数の機器に一斉に配信したり、リモートから機器の状況を確認したり、設定を変更したりすることが可能。「インターネットアクセス可能な環境であれば、自宅や外出先からでも各施設のネットワークを監視・管理できます。万が一のトラブルの際には、休日や夜間でもすぐに対応できることも決め手となりました」(礒脇氏)。
さらにWANについても、セキュリティアプラインスであるCisco Meraki MXシリーズのオートVPN機能を活用することで、キャリアの閉域網サービスなどを用いずともインターネットVPNで安全に拠点間を接続できます。
「GUIベースで全拠点、および拠点ネットワークを構築、管理していけるSD-WANを実現することで、運用負荷軽減をさらに高めることができます」と礒脇氏は強調します。
現在、同グループは既存機器の更改のタイミングなどを見ながら、段階的にCisco Meraki シリーズへの移行を進めています。
基本的な構成はCisco Meraki MXシリーズをVPNの終端装置として活用し、その配下に拠点規模に応じたネットワークスイッチCisco Meraki MSシリーズ、無線LANアクセスポイントCisco Meraki MRシリーズ、そして監視カメラCisco Meraki MVシリーズを設置。さらには、多様なデバイスの効率的な管理を実現するMDM(モバイルデバイスマネジメント)システムも導入しています。
ネットワークセグメントは、従来の構成を継承し、電子カルテに接続する医療系、検査機器や部門システムなどが接続される部門系、事務部門がメールやインターネットなどに用いる業務系、そして、フリーWi-Fiなどで利用するその他のセグメントの大きく4つに分割しています。
現在、同グループの埼玉県、神奈川県の6つの施設で、すでにCisco Meraki シリーズによる新ネットワークが稼働しています。「拠点間接続をインターネットVPNに集約することでWAN構成がシンプルになりました。また、Cisco Meraki MXはUTM機能を備えているため、拠点間のVPN終端としてだけではなく、インターネット接続口を守るWebセキュリティとしても機能しています。セキュリティを確保しつつ、回線コストを削減し、拠点間スループットも向上しました」と礒脇氏はメリットを語ります。
新ネットワークが稼働している拠点の1つが健診センター「カラダテラス海老名」です。
カラダテラス海老名は、個室でゆったりと健診を受けられる新しいタイプの健診センター。受診者に渡したiPadでデジタル問診や次の検査案内などを行い、測定結果もリアルタイムで表示します。
「受診者に渡すiPadはもちろん、個室を巡回するスタッフ用端末、検査機器に至るまで、数多くのデバイスが無線LANでつながっていますが、とても安定しており、ストレスなく健診を受けていただくための重要なインフラとなっています。無線LANのセキュリティに関しては、中央拠点に配置したRadiusサーバで認証を行い、強度なセキュリティレベルを維持しています」(礒脇氏)。
また、カラダテラス海老名の受付や待合スペースにはCisco Meraki MVを設置し、常時モニタリングしています。「万一の場合に備えた防犯上の用途はもちろんですが、受付の状況を確認し、混雑時には他のスタッフがすぐに応援に駆け付け、受診者を待たせないサービス提供に努めています」と礒脇氏は説明します。
軽微な設定変更やトラブルシュートは、サポートベンダーに依存することなく自前で実施可能となり、メンテナンス費用の削減にもつながっています。先行稼働する6施設のネットワーク管理は、現在、主に礒脇氏が1人で行っています。
「展開拠点の拡大に伴い、今後の基本的な運用はグループの情報システム部に移管していきますが、6つの拠点のネットワーク運用を限られた人的リソースで担えるのも、Cisco Meraki シリーズの容易な管理性によるものです」と礒脇氏は評価します。
インシデント発生時のアラート通知機能が標準で付帯しているため、これまで別途依頼していた監視・通知サービスも不要になりました。全てのネットワーク刷新が完了すれば、年間約1000万円のランニングコストを削減できる見込みだといいます。
今後は、医療・介護サービスの質の向上や働き方改革にも新ネットワークを活用していく計画です。例えば、Cisco Meraki MXシリーズは、クライアントと直接閉域通信を行うクライアントVPNを容易に実現できます。「このメリットを活かせば、訪問診療や在宅介護の際に外出先でも、医療・介護システムを安全に利用できます。よりきめ細かなサービスの提供や、スタッフの負担軽減にも役立つと考えています。他にもコミュニケーションソリューションCisco Webexなどを組み合わせてテレワークを実現するなど、様々な構想を練っています」と礒脇氏は意欲を見せます。
Cisco Meraki シリーズによる新ネットワークによるシームレスな連携を強みとして、JMAは、今後も地域住民の健康と安全の向上に寄与していく考えです。
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