ハイブリッドワークフォース
チームはあらゆる環境で優れたパフォーマンスを発揮できます。
プラットフォーム(PLATFORM)
アクセス製品
セキュリティとIoT製品
ベスト プラクティスを学び、革新的なソリューションを調べ、Meraki コミュニティでいろいろな人と知り合いましょう。
つながる
パルコは、福岡県福岡市にある「福岡 PARCO」の新館を 2014 年 11 月に グランドオープンした。来店者がショッピングなどをゆったりと楽しめる「コンフォータブル」(快適)な環境をコンセプトの 1 つとして店舗内の設計を行い、 スマートフォンなど各種デバイスの活用を促すフリー Wi-Fi の仕組みも整備。 来店者だけでなくテナント側の業務にも使えるインフラとして提供し、他の店舗 に先駆けた展開を行っている。この Wi-Fi 環境の構築にあたり、同社は Cisco Meraki クラウド管理型無線 LAN ソリューションを採用した。
福岡 PARCO は西鉄福岡駅(天神駅)と福岡市地下鉄天神駅、バスセンターなど 交通ターミナルに接し、多くの人が回遊する好立地にある。今回新たにオープンした新館は、ショッ ピングを楽しむ場としてだけでなく、快 適にくつろげる空間として、またコミュニケーションの場として、天神の街を訪れる人々に新たな価値を提供することを目指している。店舗内では Cisco Meraki クラウド管理型無線 LAN ソリューションを用いて来店者が自由に無線 LAN を利用できる フリー Wi-Fi 環境が整備されており、店舗のコンセプトに違わぬ快適な使い勝手を実現した。こ れまでもパルコの各店舗でスポット的に Wi-Fi を利用できるエリアを設けてきたが、全館への展開は初となる。
株式会社パルコ WEB コミュニケーション部 部長の林直孝氏は、同社の取り組みを交えて次のように話す。 「当社は 2013 年に WEB コミュニケーション部を設けて、Web を含めて ICT を活用したお客様とのコミュニケーション促進や e コマースサイトの運営に取り組んでいます。その当時、すでに当社 の Web へのアクセスは 7 割ほどがスマートフォンからのもので、利用者が非常に増えていることを 感じていました。そこで、Web サイトのリニューアルをはじめ、コミュニケーションの活性化を促す施策を重点的に行ってきました。こうしてコンテンツの充実を図ると同時に、店舗側のインフラもしっかり作る必要があります。今回の福岡 PARCO では計画段階から ICT を活用した施策を提案し、Wi-Fi 環境を全館で展開するほか、デジタル サイネージの設置なども行いました。スマートフォンを使ったコミュニケーションの促進、タイムリーに情報に接する機会の増加を目指したのです。
Wi-Fi 環境の構築は、当初は新館だけで進めていたのですが、お客様の利便性を考えると本館にも展開すべきと考えて、全館で利用できるサービス基盤として整備しました。」
今回構築した無線 LAN 環境は、来店者のほかに、出店しているテナントも利用できるようにしている。林氏は、福岡パルコの取り組みは全国の店舗に先駆けたモデルケース的な面もあると話す。 「従来の店舗では、出店されるテナント様が個別に無線 LAN の設備を導入されているケースがありました。その部分を当社が提供することで、個別に契約や構築を行うよりも安価で、便利に使っていただけるようにしています。来店者の方々だけでなく、テナント様向けの業務基盤としても活用いただける初めての事例です。」
同社は、福岡 PARCO で用いる無線 LAN ソリューションの選定にあたり、細かな要件を定め、検討を重ねたという。株式会社パルコ WEB コミュニケーション部の木村鷹氏は、Cisco Meraki 無 線 LAN ソリューションを採用した理由について、次のように話す。
「一度導入すれば 6 ~ 7 年は使い続けるものですから、当社として必要と考えるポイントを 20 項 目ほど挙げ、2020 年を見据えて検討しました。ハードウェア面では、現時点で最新の規格(IEEE 802.11ac)に対応していることや有線側が 1GbE に対応していることなどがあります。ソフトウェ ア的な要素としては、外部のサービスと連携させるための API など、今後の展開に役立つ機能(仕様)を重視しました。
API を備えているソリューションはまだ少なく、ここは Cisco Meraki 採用の理由の 1 つですね。 運用面では店舗側にコントローラを置かなくてよいことや、店舗内で端末(お客様)が移動した際にローミングが適切に行えるといったことに加え、保守体制がしっかりしていることがポイントでした。各社のご提案やベンダーからのヒアリングを経て、最終的に Cisco Meraki に決めたのです。」 Cisco Meraki 無線 LAN ソリューションの特長的な機能である「Facebook Wi-Fi」も、福岡 PARCO のコンセプトに合致するものとして注目したと木村氏は続ける。
「無線 LAN の設計にあたって、お客様がどんな方法でもつなぎやすい環境を目指していたので、Facebook でも、Japan Connected-free Wi-Fi でも、普段使っている方法をなるべくそのまま使えればと思っていました。その点、Cisco Meraki が Facebook 経由のチェックイン機能を標準 で備えているのは大きなポイントでしょう。」
もう 1 つ、同社が選定の際に意識したのは、アクセスポイントのデザインだったと林氏は話す。 「新館の建設中に、設置するアクセスポイントの色の話がけっこう出ました。今回は白い共用通路 に白いアクセスポイントを設置しているので、色もマッチしていますし、製品自体もかっこいいと思えるものでよかったです。このカラーがもっと豊富に選べたらいいですね、とシスコにも要望として 伝えていました。テナント様の区画内に設置する場合など、意匠にこだわりを持って設計されているときにアクセス ポイントの色や形の選択肢があれば、導入しやすくなるでしょう。」
運用面では店舗側にコントローラを置かなくてよいことや、店舗内で端末(お客様)が移動した際にローミングが適切に行えるといったことに加え、保守体制がしっかりしていることがポイントでした。
株式会社パルコ WEB コミュニケーション部
木村 鷹 氏
福岡 PARCO 新館のオープン以来、店舗にはさらに多くの人が訪れるようになり、フリー Wi-Fi の利用も当初の想定以上の成果が出ているとのこと。オープンに合わせてスマートフォン向けの新しい公式アプリ「POCKET PARCO」も配信を始めている。コンフォータブルというコンセプトに即した、 使いやすい Wi-Fi 環境を実現できたと林氏は話す。
「おかげさまで当初の目標はクリアし、予想した以上に Wi-Fi も使っていただいています。新館は多くのフロアにカフェを設けたり、エスカレーターの周辺に広めの休憩スペースを設けたりして、ショッピングを楽しみながら店内で快適にくつろげる空間を整えました。そうした場所でお客様がスマートフォンやタブレットを使って Web やソーシャル メディアを見て、情報へのアクセスや共有をしていくシーンは容易に想像できたので、使いやすいインフラを整えることはとても重要だと考えています。 Cisco Meraki 無線 LAN ソリューションを用いて、お客様の利便性に気を配り、店舗のコンセプトに合った設計ができました。 公式アプリもちょっと工夫をしまして、アプリ経由で Wi-Fi にチェックインするとコイン(ポイント) が付与されます。1 日 1 回のチェックインでランダムにコインの数が変わるという遊びの要素も足 して、楽しみながら Wi-Fi の活用を促し、パルコに行くといいことがあるというお得感も演出しています。このようなサービスを、インフラとセットでご提供できるようにしたのは良かったと思ってい ます。」
Cisco Meraki 無線 LAN ソリューションはクラウドですべての機器を一元的に管理でき、地理的に離れた場所からでも運用状況をモニタリングできる。今回のインフラの運用保守は構築ベンダーが担っており、同社は管理画面で日々の状況をチェックしているとのこと。木村氏は、利用者の動向を見ながら、Wi-Fi 利用のスタイルの変化を感じている。
「1 日あたりでも非常に多くのアクセスがあり、以前と比べると大幅な伸びですね。館内ならどこでもつながり、かつ簡単に使える点が功を奏しているのでしょう。 携帯電話の通信では帯域制限があり、動画サイトなどにアクセスするとすぐ使い切ってしまうケースも珍しくありません。そんな背景もあってか、Wi-Fi をもっと使おうという意識が国内でも広まってきている気がします。ソーシャル メディアを見ていると『(福岡の)パルコは Wi-Fi があるから行っ てくる』みたいな書き込みがよくあるんですね。店内もゆったりしていますし、カフェに入ってもいい ですし、こんな形で Wi-Fi の使われ方も変わっていくのかもしれません。
我々の部署はお客様(ユーザ)に近い部門なので、お客様とどのようにコミュニケーションしていくかということを重視しています。厳密に仕様を固めたネットワークでなくてもマーケティングや販促をする人が ICT の力を活かして施策を行いやすくなっていると思いますし、Cisco Meraki 無線 LAN ソリューションはそうした動きをうまく後押ししてくれるものの 1 つと言えるでしょう。」 アクセス時に取得できる端末情報を、店舗の売上や顧客の購買意欲の向上につなげるような施策と どのように結び付けていくかは今後の課題となっている。インフラ側は準備できているが、法整備や顧客の意識がまだ十分ではないと同社では判断しており、今後の動静を見ながら対応していく予 定とのこと。
最後に林氏は、同社の取り組みの方向性を交えながら、次のように話す。 「当社は直接お客様に販売やサービスする立場ではありませんが、インフラや Wi-Fi へのアクセスを通じて得られるデータを出店いただくテナントの皆様にご提供するなど、これまでできなかったことを適切な形で行えるようになれば、それがお客様への貢献、満足度の向上につながっていくと 考えています。お客様とテナント、テナント同士をさらに結び付けていくために、ツールを使ったり、 データを分析したり、さまざまなことができるようになっていますが、なんでもテクノロジーで解決 するのではなく、接客などリアルな人の力に ICT の力を合わせることでもっとコンフォータブルな環 境が実現できるでしょう。新しいことをうまくキャッチアップして、Cisco Meraki 無線 LAN ソリュー ションもさらに活用しながら、お客様やテナントの皆様に還元していくという発想で取り組んでいき たいと思います。」
現在のサイトを離れて別の言語に移行しようとしています.