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Cisco Merakiで構築したワイヤレスネットワーク環境によって、安心安全にICTを活用したアクティブラーニングを提供しています
武井 邦之 氏
横浜市教育委員会事務局 学校教育企画部 小中学校企画課 情報教育担当課長
GIGAスクール構想に基づき小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校のICT環境の整備に臨んだ横浜市は、セキュアで安定した高速大容量の通信ネットワーク環境を構築するべく、Cisco Merakiブランドのワイヤレスアクセスポイントやスイッチを導入しました。卓越した信頼性・安定性や同時接続数の多さ、クラウド型の集中管理による容易な運用性といった特徴を生かし、26万人以上の児童生徒に対して、1人1台の端末から快適に校内LANやインターネットを利用できる環境を提供しています。
横浜市では「横浜教育ビジョン2030」のもと、アクションプランとして「第4期横浜市教育振興基本計画」(2022~2025年度)を実行しています。
横浜市教育委員会事務局 学校教育企画部 小中学校企画課 情報教育担当課長の武井 邦之氏は、「『一人ひとりを大切に』『みんなの計画・みんなで実現』『EBPM(エビデンスに基づく政策形成)の推進』の3つの視点に基づき、一人ひとりの成長に焦点を当てた教育政策を展開し、『自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人』の育成を目指しています」と説明します。
この取り組みの推進にあたりポイントになるのが、文部科学省が主導するGIGAスクール構想です。全国の小学校、中学校、特別支援学校におけるICT環境の整備を目指して、児童生徒に1人1台の端末を配備し、さらにそれらの端末をインターネットに接続するための高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想です。
しかしながら、GIGAスクールの環境構築は容易なことではありませんでした。横浜市は日本全国で最も大きな基礎自治体であり、市内に約500校の市立学校があり、1万を超える教室で26万人以上の児童生徒が学んでいます。一人ひとりを取り残すことなくカバーする大規模なICT環境を、GIGAスクール構想で求められた2021年3月までに整備を完了しなければならなかったのです。
もちろん、これまでも市内の各校でICT環境がまったく整備されていなかったわけではありませんが、デジタルを活用した昨今の教育ニーズを満たすには、とても十分とは言えないレベルにとどまっていたのが実情です。
「ICTについて比較的高いリテラシーをもった教職員や保護者の方々がボランティアで集まり、パソコン教室の端末をインターネットに接続する有線LANの環境を構築していました。結果として、学校ごとに導入しているネットワークの構成や機器も異なることから運用・利用レベルはばらばらで、横浜市全体として統一されたガバナンスを効かせることも困難でした」と武井氏は振り返ります。
GIGAスクール構想に基づくICT環境の整備に臨んだ横浜市は、2020年9月に一般競争入札を実施しました。その結果としてiPadやChromebookといったタブレットと共に選定されたのが、クラウド管理型ワイヤレスアクセスポイント「Cisco Meraki MR46」(1万8,044台)をはじめ、コンパクトスイッチ「Cisco Meraki MS120-8FP」(462台)、PoE対応スイッチ「Cisco Meraki MS125-24P」(2,821台)、10 G SFP+アップリンク対応スイッチ「Cisco Meraki MS250-24」(502台)といったシスコのネットワーク機器です。(2020年度導入時の台数)
これらのネットワーク機器のどんな点を横浜市は評価したのでしょうか。そこには大きく3つのポイントがあります。
まずは「安定性」です。コンシューマー用途ではなく、長年にわたるエンタープライズ分野での豊富な導入・運用実績に裏付けられた信頼性を重視しました。
次に無線LAN(Wi-Fi)環境の「同時接続数」です。MR46は40台以上の端末の同時接続が可能で、1クラスの児童生徒全員をカバーすることができます。さらに横浜市では普通教室だけでなく、校内の主要な施設でWi-Fiを利用できる環境整備を進めており、「たとえば体育館での全校集会や式典などで利用することを想定した場合、より多くの端末を接続できることが重要となります」と武井氏は強調します。
また、市立学校は教育の場であると同時に、さまざまな災害の発生時には地域住民の避難所としての役割も担っています。「緊急時にどこまで学校のWi-Fiを開放するのかは状況に応じて協議する必要がありますが、論理的にネットワークセグメントを分離したうえで、より多くの方々にサービスを提供できるよう、災害対策まで想定して今回のソリューション選定にあたりました」と武井氏は語ります。
そして最も重要なポイントが「クラウド管理」です。Cisco Merakiのネットワーク機器は各校に管理サーバーなどを設置することなく、すべての学校のネットワーク機器をMerakiクラウド経由で遠隔から集中管理できます。ワイヤレスアクセスポイントであれスイッチであれ、基本的に機器を設置して通信回線とつなげば、すぐに管理者側から遠隔で設定や制御を行うことができます。
「Cisco Merakiの優れた特徴を最大限に生かすために、シスコは各校のネットワーク環境を一元的に設定および変更できるテンプレートをあわせて提供してくれました。人の移動が大きく制限されたコロナ禍にあって、約500校のネットワーク環境を短期間で構築できたのは、まさにこの仕組みのおかげです」と武井氏は語ります。
さらにCisco Merakiのネットワーク機器は、その後の運用面でも管理者の負担を大きく軽減しています。各校の端末の接続状態をGUIベースのダッシュボード上に可視化して確認できるとともに、万一障害が発生した場合でも現地に足を運ぶことなく遠隔から問題を調査し、解決することができるのです。
「ダッシュボードを見ればICTの専門家ではない市側の担当者でも各校のネットワーク環境に起こっている問題を把握し、SIベンダーに対応を引き継ぐことができます」と武井氏は、Cisco Merakiのネットワーク機器の優れた運用性を評価しています。
各校からインターネットへの接続には、国立情報学研究所(NII)が運営する学術情報ネットワークの「SINET」を活用しています。各校の通信をWAN経由でいったん横浜市のデータセンターで集約し、40Gbps×2本の超高速回線でSINETに接続しています。
こうして2021年4月に運用を開始した横浜市のGIGAスクール用ネットワークは、それから2年半を経た現在も安定した稼働を続けています。
「Cisco Merakiで構築されたワイヤレスネットワーク環境によって、ICTを活用した児童生徒のアクティブラーニングは大きく前進したと考えています。また通常授業だけではなく、工場と学校をオンラインでつないだ社会科見学や、修学旅行の行先の下調べ、海外の子どもたちとの交流などにもワイヤレスネットワークが活用されています。体育館で全校集会や卒業式などのイベントを行う際に、多数の端末を安定して同時接続できるのもCisco Merakiならではのメリットと言えます」と武井氏は話します。
続けて「横浜市立学校トータルで約1万クラスあるということは、1万通りのネットワーク活用のユースケースが存在することを意味します。これについて全国の教育委員会や学校から数多くのお問い合わせをいただいており、私たちとしても真摯な対応に務めていきます」とも語り、積極的な情報提供を通じて他の自治体のICT教育の向上にも貢献していく意欲を示しています。
さらにGIGAスクール構想では、児童生徒への1人1台の端末配備がほぼ完了したことに伴い、2024年からはいよいよデジタル教科書が本格導入される予定となっています。これにあわせて横浜市では、紙のプリントで行われてきたテストのデジタル化にも独自に取り組んでいく考えです。
「次のステップにスムーズに対応していくためにも、ネットワーク環境についても継続的な見直しが必要です」(武井氏)
実際に横浜市では、当初ベストエフォート回線を利用していた各校とデータセンター間のアクセスネットワークを専用線化するなど改善を進めており、今後の通信量の増加にあわせてワイヤレスアクセスポイントの増設やスイッチの増強なども柔軟に検討していく構えです。
所在地 横浜市中区本町 6-50-10
職員数 1万9305人(2023年現在)
URL https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/kyoiku/
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