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SD-WAN 化とローカルブレイクアウトの実現でネットワークの高負荷が回避できると考えました。
Cisco Meraki は 1 度のトラブルもなく安定稼働している実績もあり、信頼性は高いものがありました。
久 聡紀 氏
信州ハム株式会社 管理本部 総務部 情報管理課 課長
長野県上田市を拠点にハムやソーセージを製造、全国で販売を展開する信州ハム株式会社(以下、信州ハム)は、2018 年から Cisco Meraki を活用したスマートファクトリ変革を推進しています。今回、コロナ禍のテレワーク導入に伴う通信帯域ひっ迫を解消すべく、全国 20 拠点を結ぶ全社ネットワークを Cisco Meraki フルスタックによる SD-WAN に全面刷新。ローカルブレイクアウトの実現によるネットワーク品質強化とともに、クラウド管理による運用管理業務の効率化も実現しました。
信州ハムは、本社工場内のシステムをネットワークでつなぎ、生産実績を日々リアルタイムに可視化するスマートファクトリ変革を推進しています。それを支えているのが、過酷な環境でも安定的に高速通信できる Cisco Meraki のクラウド管理型ネットワーク ソリューションです。
そうした中、同社は新たな課題に直面しました。それが、コロナ禍でテレワークと Web 会議が急増したことに起因する、全国 20 拠点を結ぶ全社ネットワークの帯域ひっ迫でした。当時の状況を、管理本部 総務部 情報管理課 課長の久聡紀氏は、次のように話します。
「2020 年から急速にテレワーク化が進み、Web 会議が頻繁に開催されるようになると、そのトラフィック量が社内ネットワークに影響するようになり、インターネットを経由して商取引を行う Web-EDI にもエラーが起こるようになりました。特に当社では RPA(ロボティック プロセス オートメーション)を活用して取引業務の自動化も進めていたため、その影響は深刻でした。折しもネットワークインフラ基盤の更改時期が迫っていたことも重なり、抜本的な見直しに向け、検討を開始しました。」
ここで構築パートナーから提案されたのが、Cisco Meraki による SD-WAN および、ローカルブレイクアウトへの変革でした。SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)とは、ソフトウェアで WAN を管理、運用する技術。ローカルブレイクアウトは、特定のクラウドサービス通信を中央拠点に設置されたインターネットとの接点を使用せず、各拠点から直接インターネットにアクセスすることで通信の集中を軽減し、通信遅延を防止する手法です。
その後、同社は複数社からの提案を比較検討し、2020 年末に Cisco Meraki を採用した全社ネットワークの SD-WAN 化を正式決定します。その理由を、久氏はこう語ります。「SD-WAN 化とローカルブレイクアウトの実現で、今回のネットワーク負荷が回避できると考えました。当時はまだ、これだけの規模の SD-WAN 構築事例は少なかった印象ですが、当社工場での Cisco Meraki が 1 度のトラブルもなく安定稼働している実績もあり、信頼性は高いものがありました。」
生産本部 生産管理部 原価管理課 課長の織部航氏は、運用の観点から Cisco Meraki の採用理由を、次のように話します。「SD-WAN でローカルブレイクアウトを実施することで、アプリケーション単位でアクセス制御やネットワーク経路の最適化が可能となります。Cisco Meraki であればそれがシンプルな機器構成で実現できることに加えて、クラウド管理型で『運用の見える化』効果も高い。特に当社は専任の IT 担当者が不在な地方拠点も多く、これまでトラブル時に遠隔からの対応で苦労していましたので、その点も採用の大きな理由となりました。」
構築も順調に進み、2021 年 3 月末に完了。4 月から Cisco Meraki のフルスタック構成による新ネットワークの稼働が開始されました。本社および各拠点に機器を設置、クラウド管理画面から設定後、本社内でテストを実施。特に問題ないと判断され、各拠点のネットワークを一斉に切り替えました。
構築プロセスについて、久氏は「従来は VPN の閉域網で構築されており、新たに音声回線を準備することに時間がかかりましたが、Cisco Meraki の各機器は基本設定完了状態で提供され、現地に設置するだけなので手間なく展開できました。その他の設定はクラウド管理画面で遠隔から行うことができ、設定の度に SE を派遣する必要がないため、ランニングコストの削減にもつながります。」と語ります。
さらに今回、同社は工場内の温度管理に、Cisco Meraki MT センサーも導入しました。久氏はその狙いを、次のように話します。「食肉加工工場内は、常に 10℃ 以下に保つことが求められます。工場には既存の温度管理設備が備わっていますが、試験的な意味合いで今回、さまざまな場所に設置可能な MT センサーを導入しました。今後、活用アイデアを検討予定です。」
こうして全国 20 拠点に導入された MX ルータ、MS スイッチなど 100 台を超える Cisco Meraki 機器は、1 つのダッシュボードでクラウドから設定と管理が可能で、将来の増設も容易。SD-WAN 化で遅延やパケットロスなどが設定値を下回ると自動的に最適な通信に切り替わる機能のほか、万一に備えて冗長構成も実現。加えて、Web 会議など特定の SaaS 利用時は各拠点からのローカルブレイクアウトとすることで、通信品質も大きく向上。Web-EDI の通信不具合も解消されました。
運用管理面での効果について、織部氏は次のように評価します。「従来のコマンドベースの管理とは異なり、Cisco Meraki はグラフィカルな管理画面をブラウザから直感的に操作できて、視覚的にも把握しやすいです。ベンダーとの協議の際も、遠隔から同じ画面を見ながら会話できて、対応が早期化します。また、当社は工場内で ERP 用途の iPad を利用しているのですが、それも含めてすべての機器を包括的に MDM (モバイルデバイス管理)できる点も優れています。」
今後、同社では SASE をゴールとし、セキュア インターネットゲートウェイ Cisco Umbrella や、Cisco Secure Access by Duo による多要素認証、ゼロトラストなどのセキュリティ強化が検討されています。久氏は「今回実現したローカルブレイクアウトの適用範囲を拡大するうえでも、安全性と利便性を両立する、新たなセキュリティ対応も実現していきたい。」と話します。
最後に久氏は、今後の DX 推進および Cisco Meraki への期待をこう結びました。「食品業界では、異物混入などの事件をきっかけとしてフードセキュリティへの意識が高まり、工場内への人の出入りを従業員の負荷なく監視、記録できる仕組みが求められるなど、デジタル活用の気運が高まり続けています。Cisco Meraki にはこれからも多くの現場で導入、活用しやすいソリューション提供に、期待しています。」
所在地 長野県上田市下塩尻 950
設立 1941 年(昭和 16 年)3 月
資本金 1 億円
事業内容 ハム・ソーセージの製造・販売、及び総菜の販売
URL https://www.shinshuham.co.jp
長野県上田市を拠点にハムやソーセージなどを製造、全国にて販売展開。1975 年から続く「グリーンマーク」に加えて、「信州軽井沢」「信州」などのブランドを通して地元信州の豊かな自然、爽やかな気候が生んだこだわり、美味しさを追求した製品開発を進めています。
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