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遠隔から運用管理できる利便性とコワーキングスペースにも対応した高いセキュリティ機能、そして一流の建築家から求められたデザイン。その全ての要件をクリアできるのはCisco Meraki シリーズだけでした
株式会社システムズナカシマ 特別顧問 吉備高原Nスクエア 統括ディレクター
2024年4月、岡山県の中央に位置する吉備中央町に、コワーキングスペースとレストランを併設する「吉備高原Nスクエア」がオープンしました。吉備中央町が「国家戦略特別区域(デジタル田園健康特区)」に採択され、地域課題解決の取り組みを推進する中、Nスクエアは「転職なき移住」の実現と地方への新たな人の流れを創出することを目的として建設されました。自治体や大学、地域企業や県外企業、そして地元住民が交わり、「職・住・学・遊がクロスするインクルーシブな場」として大きな注目を集めています。同施設の建設にあたりネットワークインフラとして選ばれたのがCisco Merakiシリーズです。クラウドのダッシュボード上でネットワークの状況を遠隔管理・操作できるCisco Merakiの特性は、無人化している同施設の運営に強力に貢献しています。また、施設の設計を手掛けた世界的な建築家、隈研吾氏が求める高いデザイン要件もクリアし、美観を損なわず快適なネットワーク環境を構築しました。
吉備中央町は、岡山駅から車で約45分、岡山空港から約20分とアクセスに優れ、同時に安定した地盤で災害も少ない地域として、1970年代に大規模なニュータウン化が計画されました。一度は多くの人が移り住み、街は賑わいを見せましたが、時代とともに人口は減少。そうした中で改めてこの地に着目したのが、岡山市に本社を構え、長らく地域に根ざした事業を続けてきた総合システムインテグレータの株式会社システムズナカシマです。
同社は、国や自治体の地方創生の動きと足並みを合わせながら、社会貢献事業として町の活性化に乗り出しました。こうして2024年4月に誕生した施設が「吉備高原Nスクエア(以下、Nスクエア)」です。設立の狙いについて、同拠点の立ち上げを指揮した株式会社システムズナカシマ 特別顧問・吉備高原Nスクエア 統括ディレクターの橋本 幸夫氏は次のように話します。
「これまで吉備中央町には、地域の人が集まって話をできるような場所がありませんでした。町がデジタル田園健康特区に採択されてからは県外からも企業の方が来られるようになりましたが、彼らが仕事をできる場所もなく、コミュニケーションや新しいつながりを生み出すための『場』が必要だったのです」(橋本氏)
同社は街の中心部に土地を購入し、設計は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用された新国立競技場など、数々の有名建築を手掛ける隈研吾氏に依頼。2023年4月に着工しました。工事が進む中、内装や設備とともに同時並行でネットワークインフラを検討していきました。
Nスクエアは、同社の拠点がある岡山市から離れた場所に立地している上に、コワーキングスペースという特性上、ネットワーク環境においても高い要件を満たす必要があったと橋本氏は振り返ります。
「快適に仕事をしていただくコワーキングスペースとしての活用用途を考えると、ネットワークは高い安定性とセキュリティを両立できることが絶対条件です。同時に、運用管理コストは極力抑えたいという思いもありました。Nスクエアの建設は、当社が社会貢献を主目的に進めた事業であり大きな収益を見込めるわけではありません。そのため、施設に専任スタッフを配置せずとも、ネットワーク環境で不具合があった場合でも本社側から遠隔で容易に対処できる仕組みを求めていました」(橋本氏)
このように、施設の用途や経営の条件を踏まえ、要件に応えられるネットワーク基盤として採用されたのがCisco Merakiです。遠隔地からでもネットワークの利用状況を管理者用のダッシュボード上で確認できるようになっています。
さらに、Cisco Merakiはクラウド上に独自の認証機能を用意しているため、自前で認証用サーバ(RADIUSサーバ)を用意する必要もなく、セキュリティを担保しながら管理・運用コストも抑えられます。
アクセスポイントにはCisco Meraki MR シリーズを採用し、約50名が利用できる1階のカフェスペースに3台、2階のコワーキングスペースとレンタルオフィスに4台を設置しました。カフェスペースでは誰もがインターネットを利用でき、コワーキングスペースとレンタルオフィスでは事前登録した利用者のみがインターネットにアクセスできるセキュアな環境を構築しました。
また、コワーキングスペースでは利用者が席を移動した際に「遠くのアクセスポイントに接続されたままで動きが不調になる」といったローミングの問題についても、アクセスポイントで解決できます。Cisco Meraki MR シリーズはアクセスポイント同士が連携し、チャネルの自動調整を行うため、そうした問題は起こりづらく快適なネットワーク環境を実現できます。
構築時のプロセスについて、印象的なエピソードを橋本氏はこう話します。
「2階のオフィススペースは無人運用を実現するうえで、入退室には顔認証システムを採用しましたが、オープンの1週間前になって認証ができないというトラブルが発生し、非常に焦りました。導入ベンダーに相談して調査してもらったところ、顔認証システム側に原因があることがわかり、無事に問題を解消できました。その際にも、状況確認や障害の切り分けも現地に足を運ぶことなく、遠隔からダッシュボード上で行えたことで、Cisco Meraki の有用性を確信しました」(橋本氏)
導入は順調に進み、2024年4月にNスクエアは無事にオープンを迎えました。初月から1,000人を超える人が利用し、町の新たなランドマークとして愛されています。オフィススペースは、3社がレンタルオフィスを契約し、コワーキングスペースは約60名が登録。さらにセミナーや研修、勉強会といったさまざまなイベントでも活用されています。このような運用状況においても、これまでにネットワーク環境に関する不具合は発生しておらず、安定運用を実現していると、橋本氏は胸を撫でおろします。
「Nスクエアには、岡山が日本でリードして生産するCLTという木造建築材が使用されています。5枚の板を圧着してつくられるCLTは、鉄骨並みの強度と、耐火性、断熱性を誇るため、電波を問題なく透過するのかという懸念もありましたが、非常に安定した通信環境で、利用者からも好評の声が届いています」(橋本氏)
現在、ネットワークの監視は岡山市にある同社のシステム部門で行っていますが、ダッシュボードで状況を確認でき、現地でのトラブルシューティングといった煩わしい運用の手間はかかっていません。
さらに、洗練された美観を損なわないCisco Merakiデバイスのデザイン性についても、橋本氏は次のように評価します。
「Nスクエアを設計した隈研吾さんからは、椅子や机、本棚など、内装のデザインに関してもチェックが入り、天井のダクトを指定の色で塗るなど、細部まで “一流”が求められました。Cisco Merakiデバイスも同じく隈研吾さんに事前に提案し、デザインに問題ないことを認めていただきました。アンテナが内蔵され、PoE対応でLANケーブルも外側から見えにくいように配慮され、機能性とデザイン性を両立するCisco Merakiシリーズは、まさにNスクエアのコンセプトにフィットする他にはない選択肢でした」(橋本氏)
最後に橋本氏は、Nスクエアの展望やシスコへの期待を次のように語りました。
「Nスクエアは、人を引き寄せる力をもっていると思います。これからは、この場所を『アートとイノベーションのパワースポット』として、多くの人が混ざり合い、 吉備中央町の新しい未来を創造する場所として成長させていきたいと考えています。その基盤として、ネットワークを担うシスコのソリューションは非常に重要な存在。Nスクエアとともに当然のように在り続けるものとして、安定性とセキュリティ性のさらなる向上に期待しています」(橋本氏)
所在地 岡山県北区中島田町2-3-19
従業員数 157名(2023年11月現在)
URL https://www.systems.nakashima.co.jp
1985年に船舶用推進器のトップメーカであるナカシマプロペラ株式会社のシステム事業部門から分離し、独立法人として設立。設計部門向けCADシステムの開発からスタートし、現在では、事務系システムの開発から導入・運用コンサルティングまでを行う、総合システムインテグレータとして、さまざまな分野でたゆまないチャレンジを続けている。
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